Day-2 <Part-5>
2009年11月19日
昨日最後の光は雲の隙間からのサーチライトだったけど、今日は景色全部をピンクに染める光だった。
凛々しいイレブンにピンク色は似合わないと思う人もいるかもしれないけれど、僕は大好き!

そろそろ離陸かなとエンドのほうを見てドキッとした。
「イレブンで渋滞してる・・・!」
しかも3機。出来すぎの光景だ。
このあと3機揃ってエアボーンの位置を読み違えて離陸を取り損ねたけど気にしない。
軽い感動を味わいながら今日の撮影を終えた。


・・・とはならず、ホテルへの帰り道でちょっと寄り道。
ホテルの隣にある大きな湖に沿う道路へ車を入れる。

そこにいるのは小さな水上飛行機たち。
岸辺に沿ってびっしりと並んでいる。
それも1箇所だけではなく、湖まわりぐるっと1周ずーっと。

実はこの湖もアンカレッジ空港の一部なのだ。
いや、正確には、この湖からアンカレッジ空港が始まったらしい。
空港ターミナルからレンタカーカウンターに向かう通路沿いに飾ってあった歴代の空港の航空写真を見ると、何もない原っぱにある2つの湖をつないだところからこの空港の歴史が始まっていた。
広大なアラスカでは、道路や線路を引いたり、滑走路を切り開いたりするよりも自然の湖を利用して水上飛行機で輸送するほうが理にかなっていたのだろう。
一日中自分がウロウロしていた滑走路ができたのは、ずっとずっと後のことだった。

そんな、アンカレッジ空港を語る上では欠かせないこの湖だが、今はカッチリと凍って水面はピクリとも動かない。
陸揚げされた水上飛行機たちも、翼や風防に雪を載せたまま静かに春が来るのを待っていた。


ホテルに帰り、撮影機材をカメラバッグから出すとびっくりするくらい冷たかった。
昨日と同じように結露しないようポリ袋で密封してあるのだが、その上からでも冷たさがわかる。
「いやぁ・・・がんばったねぇ」
自分になのか機材になのかよくわからない独り言をつぶやきつつ、ポリ袋のまま機材をテーブルに並べた。
ちなみにEOS-50Dのバッテリーは後半力尽きかけていて、ポケットで暖めながら撮影のたびに装填して使っていたのだが、EOS-3に使っているエネループは1日余裕でカメラを動かし続けてくれていた。

1日の最後は夕食も兼ねて市街地に出てみた。
空港でもらった地図に載っていたショッピングセンターに入り、スーパーで朝食とお菓子とお土産を調達。次いでフードコートの中華で夕食(味はぼちぼちだったけど量が異様に多かった)。最後に嫁好みの雑貨屋で赤ちゃん用のかわいいアルバムを見つけて即買いし、最後まで充実感のある1日を終えた。



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