Day-1 <Part-3>
2009年11月18日
初日からイレブンを堪能して充実感に浸りつつ、真っ暗になる前にホテルへと急いだ。

予約していたホテル「コーストインターナショナル・イン」は、撮影ポイントから車で10分もかからない場所。空港に近い湖のほとりに建っていた。

建物に入ってすぐ目の前に2階へ上がる階段があって、その脇にフロントとソファとインターネット用のパソコンがあるだけの小さなロビーで、にこやかに出迎えてくれた髭を生やしたでっかいオジサンに予約事項を記した紙を渡した。
「荷物が届いているはずなんですけどー」って英語で何て言ったらいいのかなと考えている間に、奥の部屋に消えたオジサンが懐かしい真っ赤なスーツケースを抱えて現れた。
「はいよ」と部屋のカギでも渡すくらい軽々とカウンター越しにスーツケースを渡され、こちらも必死こいてなるべく軽そうに受け取る。
「おお愛しのマイスーツケース!」とオーバーリアクションくらいすればよかったかな・・・。

エレベータはないのか、「部屋はそこの階段を上がって2階だよ」と髭オジサンに言われるまま、機材一式にスーツケースを抱えて先ほどの階段をえっちらおっちらと昇る。
建物は2階までしかなくて、その代わりフロアがかなり広いようだ。
廊下のじゅうたんは柔らかめでスーツケースもあまりよく転がらず、廊下までガンガンに暖房が効いているなか撮影用の防寒着のままなので汗が噴き出しかけている。
どこまで歩くんかなぁと心配していたら、ありがたいことに階段から10メートルのところが自分の部屋だった。

部屋も暖房が効いてポカポカしている。
暖かみのある木のテーブルやクローゼットが置かれていて、なかなか居心地はよさそうだ。
小さいロビーも、2階建ての建物も、暑いくらいの廊下も、部屋の雰囲気もどこかで見たような気がするなぁと思った。
そうだ、オーロラを見たくてフィンランドの北極圏の町に行ったときの宿がこんな感じだった。
土地が広くて寒いところなので共通した感じがあるのかな。

防寒着を脱いでベッドに放り投げ、荷物を整理する。
成田での乗り継ぎに備えてセントレアで取り付けられたらしい「BULK」のタグと、シアトルで乗り遅れたときに取り付けられたらしい「RUSH」のタグがスーツケースの苦労を物語っている。

機材はというと、ゴーヨンが冷蔵庫から出したばかりのように冷えている。
(結露するといけないので、車を降りる前にあらかじめポリ袋でくるんでおいた)
カメラバックの中身もきっと同じような調子なので、もう少し部屋の温度になじむまでバッグを閉めたままにしておくことにして食事に出た。

といっても旅先であまりグルメを楽しむ習慣がない僕は結局マクドに吸い込まれていくのがお約束。
これで何か国目かな・・・。香港、イギリス、オランダ、スイス、イタリア、デンマーク、スウェーデン、フィンランド・・・日本も入れたらここアメリカで記念すべき(?)10か国目だ!

本場のクオーターパウンダーはどんなものかと思ったら、クオーター(4分の1)を上回るサードパウンダー(3分の1ポンド)なるものがあったのでそれに決定。(でもよく考えたら「ダブル・クオーターパウンダー」のほうが多いのか?)
アメリカのは大味かと思ったけど日本のと似たようなものだった。
帰り道にガソリンスタンド併設のコンビニで朝食用のパンを買い、かつてアンカレッジ経由の欧州線が揃って利用していたという北ターミナルビルの様子をちょこっと見物してからホテルに帰った。

ロビーのパソコンは日本語の表示はできないが、ネットを開くと天気予報も表示されたポータルサイトにまず繋がったので明日からの天気をチェック。
どうやら明日が一番よく晴れるようだ。その分明日が一番よく冷えるようだけど。
早速明日が撮影本番か!
気合を入れてとっとと寝ることにした。



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