Day-2 <Part-1>
2009年11月19日
アンカレッジ2日目。6時半起床。
外はまだ真っ暗で、窓から覗いてみても天気はわからない。
天気がどんなか気になるので、洗顔をすませてコンタクトを入れたところでちょっと外へ出てみた。
「おおっ!さぶっっ!!」
1歩外へ出た瞬間キンキンに冷えた空気が頬をつねってきた。イタタタタ。
見上げると一面の星空なのを確認してすばやく建物に退散する。

部屋に備え付けてあったコーヒーメーカーでコーヒーを淹れて朝ごはん。
4〜5杯分淹れられるコーヒーメーカーなのでたっぷり作って、日本から持ってきておいた水筒に入れた。
これは撮影中に飲む作戦。

8時過ぎ、ようやく空が白み始めたのを見計らって出発。
駐車場に止めてあった車の窓はコチコチに凍っていた。車の中もエアコンが効くまでは冷蔵庫というか冷凍庫だ。
車の温度計が示す外気温度はこの旅最低となった華氏1度。
「1引く32わる1.8は・・・ひぇぇマイナス18℃かぁ」
今日は楽しくて厳しい撮影になるぞぅと思いながら昨日と同じポイントへ車を走らせた。

日の出のちょっと前に着けばいいつもりだったのに、30分以上前に着いてしまった。
まだほとんど明るくなっていないが、そこで見た風景に目を奪われた。
山の後ろの空が少しずつ明るくなってきて、ギザギザした山のシルエットを浮かび上がらせている。
フェデックスのターミナルにはすでに10機近いイレブンが並んでいる。
日の出を待つなんて呑気な気持ちは一瞬で吹っ飛んで車の外に飛び出した。
「こんなことなら三脚も持ってきとけばよかったな」と思いながらとりあえずデジタルでしばらく撮る。
空はだんだんオレンジ色に。山はシルエットにはならず雪が光を受けて薄紫色になっていくのが美しい。
こちらに機首を向けているUPSのイレブンは、背中に乗せた霜が光を反射してボディを輝かせはじめ、これもまた美しい。
朝焼けの空にイレブンのシルエット。これもたまらなく美しい。

気温はたしかにマイナス18℃だが、全く風がないのが幸いしてか思ったほど辛さは感じななくて、ずっと車の外にいても全く平気だった。
もちろん、撮影に夢中で寒さを感じている暇などなかったのもあるだろうけど。



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