最初に車を止めた場所では離陸機はまだ浮かないようだったので、来た道を少し戻ったところで撮影することにした。
道路の西側(滑走路と反対側)の地面が少し高くなっていて、ここに登るとターミナルに並ぶフェデックスがギリギリフェンスの上に見えるようになる。
まもなく、最初のイレブンの離陸機が滑走路へと向かっていった。
最初はレンズの選択がわからないので、100-400mmをやや引き気味にして構える。
滑走を始めたイレブンがスピードに乗りながらどんどん近づいてきてエアボーン!
ちょうど後ろに並ぶフェデックスと雪山が見事に背景に入る。
「うわぁ・・・すごい・・・」
その後も次から次へとイレブンが出発していく。
ちょうど15時くらいから出発ラッシュの時間のようだ。
日没は16時過ぎなので元から低かった太陽もさらに低くなって、光の様子が刻一刻と変わっていく。
やがて太陽が水平線近くの雲に隠れてしまった。
自分の背後には林があって西の空の様子はよく見えないが、木々の隙間からどうにか見えるところでは、雲と水平線との間に少しだけ隙間がありそうだ。この隙間に太陽が現れたとき、ちょうど出発するイレブンはいるだろうか・・・。
待つこと10分。
期待通りに太陽の光がまた差し込んできた。今度はさっきまでの黄色い光ではなく、オレンジ色の光だ。
そして、そこへちょうどいいタイミングでイレブンが離陸しようとしている!
しかしちょっとここで欲張ってしまった。
カメラを2台使って500ミリでも撮ってやろうと、直前になって思ってしまったのだ。
結果、これが仇になった。
500ミリの準備に気をとられている間にイレブンはすぐそこまで来ていて、あわてて構えた300ミリは肝心のタイミングでピントを外してしまった。
「バカ・・・」
でも、落ち込んでいる暇もなく次の離陸がやってきた。
オレンジ色の光が差し込んでいたのはものの5分もないくらい。
それに続いて、光がピンク色に変わってきた。
背景の山にもところどころピンク色の光が当たっている。
露出はどんどん厳しくなっていくが、できるところまでフィルムで粘り続けた。
最後の最後はデジタルに切り替えてさらに粘る。
山のピンク色が薄れて消えるまで、イレブンの出発ラッシュは終わることはなかった。
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