夕方、一旦ターミナルに行ってテンを撮り、
再び、さくらの山に戻って来ました。
今日も、ここからヴァリグの出発を撮ります。
定刻の19時。
出発ラッシュの列が続いている。
やっぱり今日もヴァリグは待たせ屋さん。
そんな気はしていたけど、今日は昨日のように余裕がありません。
帰りの夜行バスに乗る時間を考えて計算すると、
ここにいられるタイムリミットは19時55分でした。
空港行きのバスに乗れる場所まで、ここから歩いて15分くらい。
夜行バスの時間は20時35分。
その時間に間に合う為には、20時10分のバスが最後だった。
19時30分をまわる。
「そろそろかな・・・」
40分、まだ見えない。
「まだ・・・まだ大丈夫・・・」
45分、来ない・・・
「んー・・・」 心配になってきた。
カメラを片付けたり、三脚をしまったりしている時間を考えたら、
55分まで撮影が出来る訳ではない・・・
これは、無理なんじゃないかと言う気がしてきた。
でも、何があっても撮りたかった。
それは、昨日のクルーさん達が今日乗務して帰ると聞いていたから。
素敵な出来事をくれたクルーさん達に、
ありがとうの想いを込めてお見送りをしたい。
夜行バスに間に合わなくても、ヴァリグが来るまで待つと決めた。
間に合わない場合を想定して、バスのチケットに書かれた電話番号に掛けて、
キャンセルにしたい場合この電話番号で良いかを聞いた。
そして、50分くらいだったろうか。
ようやく白い尾翼が見えた!!
しかし、出発ラッシュの時間が過ぎていて、誘導路は空いている。
止まってはくれないかも・・・
でも、もう、そんな事は問題ではなかった。
お見送りする事が一番の目的でした。
エンドをターンして滑走路に入る。
そしてそのまま、少しも止まらずに行ってしまった。
でも仕上がりを見ると、尾翼のスタアラマークがかろうじて写っていてくれた(^-^)
「ありがとー!Have a nice Flight!!」
ちらっと時計を見ると55分。
もう片付けないと、きっと間に合わない。
でも、じっと立ったまま何も手をつけられなかった。
「ヴァリグが飛び上がるまで目を離したくない・・・」
遠くまで粘って粘って飛び上がる。
「良かった、飛んだね。」
その先も、しばらく見続けていた。
時計を見ると20時。
あと10分、間に合うのかどうか・・・
一か八か、急いで片付けて大ダッシュ!!!(×o×;)
はああーーー、なんとか間に合いました(^o^;
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
「ヴァリグのひこうき」が好きだった。
デザインが好きで追っかけてきた。
「ひこうきに乗務しているクルーさん」と言うのは、
私は今まで、別の次元として考えていた。
ひこうきは、ひこうき自身がつぶやく生き物で、
中にいる人間とひこうきを一緒には考えなかった。
ただ、「ヴァリグのクルーさんだから声を掛けたい。」
そんな単純な想いだったけれど、
クルーさん達とふれあって、もっともっとヴァリグを好きになった。
温かい心のブラジル人クルーさんと、ヴァリグのひこうき。
一身一体のような、そんな気がする。
「いつかヴァリグに乗りたいです。」
「いつかブラジルに行きたいです。」
ビューホテルの丘で出会った奥様に、その時は、
単なる夢物語の気持ちで書いてもらってた。本当に行ける訳じゃないだろうけど、
そんな気持ちだって言いたかっただけだった。
それがいつしか、本当の夢へと膨らんでゆくのでした。
(つづく。)
2005年9月30日&10月1日 成田空港。
(エンドでの夜間撮影に際し、「女性一人では危ない。」と現地で遭遇した知り合いの方が同行してくださいました。
心より感謝いたしますm(_ _)m ありがとうございました。)
◆Homeへ◆ | ◆写真館トップへ◆ | ◆「ヴァリグへ想いを込めて」目次へ◆ | ◆第四章へ◆ |