H-IIAロケット試験機2号機 |
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(C)NASDA
このイラストは宇宙開発事業団の
公式サイトで入手できる使用フリーの
画像に当方で文字を加えたものです。 |
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【メインエンジンと固体ロケットブースター】
H-IIAロケットは、2段式の液体ロケットである本体に2本の固体ロケットブースターというのが基本の組み合わせです。このように液体ロケットのメインエンジンと固体ロケットブースターを組み合わせた構成は今どきのロケットの基本パターンで、ヨーロッパのアリアンやアメリカのスペースシャトルも同じような構成になっています。
液体ロケットと固体ロケットはそれぞれ特徴があります。
まず、液体ロケットはタンクに搭載した液体の燃料と酸化剤(H-IIAでは液体水素と液体酸素)をエンジンで燃やすものです。長所は固体ロケットよりも「燃費が良い」(専門用語で言うと「比推力が高い」)ということ。逆に短所は構造の複雑なエンジンが必要なこと。H-IIロケットのLE-7エンジンの開発が苦難の連続だったことはご周知のとおりです。
一方、固体ロケットはロケットの中に燃料と酸化剤を混ぜあわせて作った固形の推進剤を詰めておき、それに火をつけて一気に燃やすものです。液体ロケットエンジンのような機械的な部分が要らないので構造が簡単で、大型化も比較的容易です。しかし一度火をつけるとあとは燃えっぱなしなのでパワーの調整や停止はできません。また、液体酸素・液体水素よりも「燃費」が悪いのが欠点です。
このような理由で、燃費のよい液体ロケットは宇宙に着くまで使うメインエンジンに向いていて、固体ロケットは最初に力任せに加速させるブースターの役目が得意なので、液体ロケットと固体ロケットブースターが組み合わせされた形態が主流になっているのです。H-IIAではメインエンジンは燃焼時間400秒で推力は110トン、固体ロケットブースターは燃焼時間100秒で推力は440トン(2本で)ですから、最初はほとんどブースターの力で飛んでいることになります。
【固体補助ブースター】
H-IIAでは基本の「本体+固体ロケットブースター2本」という組み合わせに、さらに「固体補助ブースター」という小型のブースターを2本または4本追加できます。今回の2号機には4本追加されています。小さく見えますが直径1メートル、全長15メートルありますからなかなか侮れない大きさで、2本使うことでロケット全体の推力が25%増しになります。ちなみに4本追加した場合でも、一度に使うと加速が強くなりすぎてロケット本体や人工衛星に負荷がかかるので2本ずつ順番に使います。また、打ち上げの際も発射台を傷めないよう(?)リフトオフから10秒後に空中で点火します。
【衛星フェアリング】
ロケット先端の衛星格納部を「フェアリング」といいます。H-IIAではフェアリングにもいくつかのバリエーションがあります。ロケット本体の直径と同じ直径4メートルのものと、ひとまわり太い直径5メートルのものがあり、そして2つの衛星を一度に打ち上げるため「2階建て」になったものもあります。今回の2号機は直径4メートルの2階建てで、ついでにちょっと長い「4/D-LC型」が使われています。
フェアリングは、空気(の抵抗)がほとんどなくなるところまで達するとただの重りにしかなりませんので真ん中からパカッと2つに割れて捨てられ、ロケットは衛星むき出しで飛んでいくことになります。打ち上げから約4分、高度170キロでフェアリングを分離します。 |
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