「MRJ、空へ」 Petit Aeroscape #649
  
MRJ初飛行の朝は、超絶視程で迎えました。
まさに絶好の初飛行日和。



MRJはいつもとは違うスポットで出発を待っていました。
まずは、FDAのエンブラエルたちが朝の出発をしていくのを見送ります。



神明公園にもたくさんスタンバイ中。
早朝から航空館Boonのデッキも開けてくれていたんですね。



8時前、JAXAの「飛翔」が離陸。
速度を正確に測るためと思われるやたら長いピトー管が特徴的です。
先行して空域の確認に向かったのでしょうか。

そのころ、エプロンには初飛行を見届ける人たちを乗せたバスが次々と入ってきました。



いつもは長めに滑走してゆったり上がるFDAのエンブラエルですが、
今日のパープルは先輩のいいところを見せたかったのか、えらく早く元気に上昇していきました。



8時半、ティーグリーンが出発してFDAの発着が一息つきました。
つぎはいよいよMRJの番です。
普段MRJが走行試験で発着していたスポットのあたりが、今日は報道や招待者の観覧場所になっていました。



三菱からはMU-300が2機チェイスで飛ぶようです。



9時10分。MRJエンジン始動。



9時7分と16分、チェイスのMU-300×2機が離陸。



9時20分、輪止めが外されました。



9時21分、整備員に見送られてスポットアウト。



三菱航空機のオフィスにも、見守る人の姿が見えます。
デッキは本当に誰も入れなかったんですね・・・。
これまで苦労してきた三菱航空機の人たちは窓越しでなくデッキから生で見るべきなんじゃないかと思うんですが。



9時24分、エアポートウォーク前を通過。
もちろん黒山の人だかり。









そして、9時35分。










飛んだ!!!



「あっさり」と言うと失礼かもしれないけれど本当にさらっと飛びました。
地上でやれることをすべてやって確信とともに飛ぶのだから、当たり前なのかもしれないけれど。
見送る開発関係者の想いはいかに。



下の地面が画面に写らなくなると、空に浮かんだ実感がわいてきます。
隙のないフォルムは空中でもやっぱり完璧です。



・・・・と、見惚れていたらいきなりT-4がファインダに滑り込んできて驚いた。
まさに滑るようなスムーズさでジョインナップ。



数分後、MU-300とも合流して南に向かう姿が見えました。
この様子だと太平洋側で試験するのかな?


FlightRadarではMRJは映りませんでしたがMU-300が時々映っていたので、
やはり太平洋上空で試験をしているのだろうと窺い知ることができました。


思ったよりも長い時間空域に留まって試験をしていたようで、
1時間を過ぎてもなかなか帰ってきませんでした



11時少し前。
「帰ってきた!」

帰りもしっかりチェイサーと編隊を組んで、まるで岐阜基地の異機種大編隊を見ているような気分です。



ギリギリまで編隊を維持して、最後にスッとチェイサーが袖に引きました。
その動きがやけに格好良かった。



おかえり!
初めての空はどうだった?



先に帰ってきていたJAXAの「飛翔」を横目に、こんどは招待者近くのスポットに凱旋到着です。

初飛行おめでとうMRJ!!



2015年11月11日 県営名古屋空港

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