「王者の帰還 〜B747伊丹イベント〜」 Petit Aeroscape #371
  
午前2時起床、3時に高速に乗って5時に豊中インター。
曽根駅のコインパーキングに車を入れて、荷物を抱えて徒歩20分。
荷物に霜がつき、脚立を持つ手が手袋越しに冷たさで痛む寒さの中、
まだ滑走路の明かりもついていない真っ暗な千里川土手に到着。
既に先客が集まっていました。

「いったいどれだけの人が集まるんだろう?」
想像もつかない747伊丹イベントの一日の始まりです。

     
日の出直後の千里川土手。
朝イチの到着に来るのは航空ファンだけかと思いきや、
ご家族連れっぽい方々なども集まって既に大盛況。

TさんのFacebookに、定期便の787に続いて羽田を飛び立ったことが書き込まれていたので
Flightradarで787の位置をチェックしながら待ちます。

「来たっ!」
787のスラリと主翼を伸ばしたシルエットの後ろに見えたのは、
見まごうことのない4発の王者のシルエット。

     
頬に朝日が映る半逆光が撮りたくてこのポジションを選びました。
・・・がっ! 近すぎるっっ!!
ぐんぐん迫ってくるスピードと迫力に感動も加わって大砲が全くマトモに振れません。

     
真上は肉眼で見たかったので三脚に据えた広角をノーファインダーでシャッターを切りながら。

     
このへんも完全に「大砲を振り回してる」んじゃなくて「大砲に振り回されて」ました。

     
うわぁあんなところまで行ったし・・・。
14エンド組サービスカット過ぎる(^-^ゞ。

     
14エンド近くのスポットでトーイングカーを付けて、そのあとは格納庫での機体見学イベントに移動。
次に動くまで7時間待ち・・・。

土手はあっという間にまばらな人になってしまいましたけど、
僕は千里川土手で1日過ごすと決めたので居座ります。
何しろ久しぶりの土手なので、次をどう撮るか、ポジションやレンズを色々換えて試していたら
意外にあっというまに時間は過ぎていきました。

     
14時の遊覧フライトへの出発。
T2誘導路の前を・・・どうする?どうする??・・・過ぎたっ!!!


     
747が、という以前にそもそもはじめて見る気がします。
全力でエンジンを吹かすと人が川に落ちるという噂のT1からの離陸。

     
さすがに誰も川に落とさずに静かにゆったり離陸していきました。

     
遊覧飛行は富士山を目指したらしく、東へ。
この後、スカイパークなどで離陸を見たのであろう人たちが
続々と千里川土手に移動してきました。

     
定刻よりやや遅れて15時40分過ぎに戻ってきました。
朝に大砲で失敗したので今回は50Dに300mmF4の小回りの効く組み合わせで。
ギリギリまで引き寄せてもコックピットの窓が鼻先に隠れない。
それが千里川土手の低さと近さ。

     
メインカメラはフィッシュアイ装着で。
正直、どう撮るか、めちゃくちゃ迷いました。
ANA塗装の表現を捨てるのにかなり勇気も要りました。
それでも、初めてここを訪れた時の衝撃、千里川土手の覆いかぶさり感に賭けることにしました
 
     
リハーサルが功を奏して朝よりはちゃんと撮れた・・・(^-^ゞ。

     
ダッシュで場所を変えて、とりあえず放水アーチの証拠写真。
これにて昼の部は修了。
最後は18時45分のフェリーフライト出発です。
ここまでの時間はやけに早かったのですが、ここからが何故か長く感じました・・・。

     
知り合いと三脚を並べて、最後のタキシーアウトにレンズを向けます。
背景の山に並ぶ灯かりが星空のように見える伊丹空港。

     
最後もまたT1誘導路まで来てくれました。
すごい三脚とビデオ雲台の人に混じってふつうの三脚で500ミリやけくそ流し。
まぐれで2枚くらい写ってた(^-^ゞ

灯かりを落としたコックピットには薄く人影が。
一方、煌々と明かりがついたキャビンは目に見えて無人なのがちょっと寂しいです。

     
ノーズのタイヤが回っているのが感じ取れるくらい近い!

     
最後の最後はデジタル世代を試すように、完全停止なしでじわじわ行ってしまいました。
ここもANA塗装を綺麗に入れるか迷ったのですが、滑走路の幅の内側で撮りたかった。
右主翼の2基のエンジンが滑走路に並ぶ灯かりを滲ませたのを見て、
ああここに陣取って良かったなぁとしみじみ思いました。

これにて千里川土手での14時間耐久レースは終了。
トイレに行きたくならないように食事すらとらずにいたので、
曽根駅に戻る途中でたこ焼き屋を見つけて思わず注文。
焼きあがるのを待っていると、同じく注文待ちをしていた男性が

「すいません。なんか三脚持った人がいっぱい歩いてますけど、
何かあったんですか、それともこれから何かあるんですか?」

伊丹空港の飛行機の身近さとジャンボの圧倒的な存在感。
それが出会う最後の1日は、街の雰囲気が変わるほどだったようです。

バックナンバー

     
2014年1月12日 伊丹空港

戻る