お二人にお礼を言って、お見送りした後、
ホテルのロビーに座って、教えてもらった英語にもう一度目を通していました。
予定では、前回ヴァリグのクルーさんに遭遇した17時頃に、
このロビーで出待ちをするつもりでいました。
けれど、ふと、「このままここにいれば、さっき降りてきたヴァリグのクルーさんが入ってくるんじゃ・・・」
という事に気付く。そう思ってからすぐの事だった。
一斉にホテルに入って来る集団が。「も、もしや・・・・・・」
名札を見ると・・・
「ひゃぁぁあ、ヴァヴァヴァッヴァリグのクククルーさん!!(◎◎)」
ドックンドックンドックンドックン・・・・・・。ど、どうしよ・・・
クルーさん専用らしきチェックインカウンターに並ぶヴァリグのクルーさん一団。
いつ、いつ、声を掛けようか、ほんとに掛けられるのか・・・
クルーさん達の方に目をやったまま、頭の中で葛藤している。
ドキドキが止まらない。
じっと目をやっていると、目が合ったクルーさんがニコッと微笑んで、
「ハーイ」だったかな「ハロー」だったかな、声を掛けてくれた。
それを聞いてほんの少し緊張がほぐれた。
・・・f(^-^*
ちょっと強張った表情のまま、微笑みを返す私。
そして意を決して立ち上がり、一番近くにいた男性のクルーさんに
「Excuse me」
と声を掛けた。
そして、教えてもらった英語をノートを見ながら読もうと思ったら、
一瞬にして頭が真っ白になって、何も声が出せなくなってしまった。
震えた手で、ノートをそのまま差し伸べた。
じーっと黙って読むクルーさん。
そのクルーさんの顔を、グッと胸を押さえて見つめる私。
読み終えた様子を見て、
「Could you take photo with me?」
と、すかさず言ってみた。すると
「OK」
と答えてくれて、そして、英語で何か話し掛けられた。
でも、全く分からない・・・
「えーと、えーと・・・・・・」
他のクルーさん達も、私に気付きこちらに集まってきていた。
あちらこちらから英語・・・?
「えーと、えーと・・・・・・(‥;)」
困っていると・・・
「これあなたが書いたの?」
え!?ににほんご???(@_@)
女性の日本人クルーさんがいらっしゃったのです!
そんな事知る由もなかった。
そこからは、日本語で説明をし始めた私。
そしたら、安堵感からなのか、緊張の糸が切れたのか、
いっぱいいっぱい胸に込み上げてきて、涙が溢れて来て、
泣きながら、ひっく、ひっく、震える口元を押さえながら、話していた。
私の話を、ブラジル人クルーさんにポルトガル語で訳してくれている。
するとあちこちから、ヴァリグのグッズを出して私の手に握らせてくれた。
「Thank you.」
「Thank you.( ;_;)」
そう言うのが精一杯だった・・・
ブラジル人クルーさんが、ノートを指差して何か言っています。
「このページ、もらって帰っていい?って聞いているわ。
ブラジルの本社に持って行って上司に見せたいって(^-^)」
「は、は、はい!!いいです!ちぎって持って行ってください!!(>_<)」
もう、大感激だった・・・
「これ私達がもらっちゃったら、あなたこの英語の文覚えてる?
次会ったクルーさんに話す時大丈夫?書いてあげるわよ?」
とお姉さんが言ってくれました。
「あ、はいお願いします!」
お姉さんはスラスラスラと写してゆきます。
「ここ、書き方少し変えておくわね。」
と、より伝わりやすいように所々書き直してくれました。
お姉さんは書きながら、日本への最終フライトの事を教えてくれた。
「1月よ。でもまだ、はっきりとした日にちは私達も分からないの。」
私は、「1月?」と、もう一度確かめるように、人差し指を立てて確認した。
11月と聞き違えていないかと思って。
そして、お姉さんがカメラマンになってくれて、
念願だった記念写真の夢が叶いました。
ラテンの国の笑顔の素敵なクルーさん達(^-^)
通訳してくれた、日本人クルーのお姉さん。
クルーさん達も、デジカメを取り出して、代わる代わるに記念撮影(^-^)
ホテルのロビーは、それはもう大騒ぎでした(笑)
ひとしきり盛り上がり、そろそろクルーさん達もお部屋へと帰る様子。
「Thank you.」 「Thank you.」
それしか言葉が出なくてもどかしかったけれど、
ありがとうをいっぱい言いました。
クルーさん達も
「Thank you very much!」 「Thank you so much!」
と口々に言ってくれる。
そして、ぎゅっと肩を抱き寄せられて、頬の辺りにキスされました(*・・*)
お姉さんが「ブラジルの挨拶よ(^-^)」と、教えてくれました。
抱き寄せられた時の、大きな体のブラジル人クルーさんの肩の辺り、
その感触、香り、温もり
今でもふと、その一瞬を思い出します。
外国。
きっと一生触れないだろうと思っていた世界。
生まれて初めて感じた外国の空気だったような気がします。
異国の地、ブラジルの香りに包まれた、優しいひととき。