「月夜のソーラーインパルス」
  
2015年6月1日夜、名古屋上空に現れた「宮崎アニメ的飛行物体」。
一列に光を灯した見たこともない機体が、飛行機にしては異様な遅さで音もなく空を進んでいきます。

その正体は、世界一周に挑戦中のソーラーインパルス。
会社帰りにスマホでニュースを見て、空を見上げたらまさに真上を飛んでいるところ!
慌てて家に向かうあいだにちょうど1周回って、家に着いたときにはまた真上に居ました。

北側のエアフロントオアシスに移動するとギャラリーで一杯!
揚力を極限まで稼ぐ設計の賜物か、降りようと思っても高度がなかなか下がらないようです。
1周30分ほどかけて大きな旋回を何度も繰り返し、少しずつ機影が大きくなってきました。

最初に目撃してから2時間あまり。
深夜0時を目前にしてようやく着陸態勢に入りました。 さっきまでとはライトの点きかたが変わっています。

ソーラー動力の飛行機を月明かりで撮るのはなかなかの味。
見たこともない飛行機を見た感激と、いい感じの写真が撮れた感動ですっかり嬉しくなりました。

翌朝。おかげですっかり寝不足ですが、早起きしてまたカメラを向けました。

MRJも外に出てきて奇跡のコラボ。
空港のデッキからだといい感じにお見合いで撮れたようですね。

到着の次の晩、深夜0時。”風が吹けば飛ぶような”デリケートな飛行機だけに、ずっとスタッフが付いています。

2晩めのうちに移動式格納庫、その名も「インフレータブル・モバイルハンガー」が展開されてその中に納まりました。
以降、直接日差しを受けると傷むという理由で明るい時間に外に出てくることは2度とありませんでした。ソーラー飛行機なのに・・・(笑)

到着から数週間、機体の整備と天気待ちでずっとモバイルハンガーに篭ったまま。
その様子は羽化を待つ繭そのものです。

3週間の名古屋ステイを経て、ついにハワイまでFlight Windowが繋がったと発表されました。
6月24日の午前2時半に設定された離陸に向けて、前夜の21時からモバイルハンガーの解体作業が始まりました。
↑写真クリックでコマが進んでいきます(Java Script使用 全25コマ)↑





午前0時半。モバイルハンガーから引き出された機体が、 スタッフの人力で押されて移動していきます。

中日本航空のハンガーにて、メディアへのお披露目とパイロット搭乗。
ちょうどスイスと日本の国旗を広げて記念撮影しているシーンです。

午前1時半。再びスタッフに押されてスポットを離れ、滑走路へと向かいます。
この時点ではまだコックピットは閉じられておらず、オレンジ色のフライトスーツを着たパイロットの姿も見えました。

エアポートウォークの駐車場はすごい人!
前日のセントレア787にも居た人、たくさんいるんでしょうねぇ(笑)
とっくに営業時間外なのに駐車場をあけていてくれたお店はエライ。

午前2時すぎ、離陸予定時刻の20分ほど前にポジションに付きました。
あとはそのときを待つばかり。 自宅マンションからでは陰になって見えない場所だったので、モーターの音に耳を澄ませます。
しかし、聞こえてくるのは県道を走る車の音ばかり・・・。

まさかのキャンセル・・・。
離陸直前に入った、4日後の天候予想悪化の報せを受けて急遽検討された結果 、
(そのへんがまるっと生中継されているのがすごいです)。
リスクをとるべきではないと判断されてこのタイミングで中止が決断されました。

空が白み始めるころ、ソーラーインパルスは再びモバイルハンガーに収納されるべく戻っていきます。

午前4時半。モバイルハンガー着。
ここから再度収納作業が始まりますが、さすがに寝ないとまずいのでここで撮影終了。
都合7時間半立ちっぱなしで見物してました・・・(^-^ゞ キャンセルは残念ですが、
最難関区間に挑むためにできる限りのことはやるという姿勢は 心に響くものがありました。
またFlight Windowが開く日を、一緒に待ちたいと思います。


・・・と思っていたら5日後、予告なく出発されて物の見事に見逃しました(T_T)。
前回は自身のfacebookやtwitterで散々予告していたのに、今度は全く無言で飛んでから発表という変貌ぶり。
なんか裏切られたような気分でガッカリしすぎて一気に冷めちゃった・・・。
(2015.6.1〜24) 

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