外が暗くなってきて、僕が乗る飛行機の搭乗が始まったころ、”彼女”はゆっくりとハンガーへ引き込まれていきました。今度こそ本当に最後のお別れです。色彩を失ったような風景の中、A300のレインボーカラーだけが不気味に目立ちます。わざわざこんな悲しい風景を演出してくれなくていいのに・・・。
カメラが示すシャッタースピードは2分の1秒。窓際にカメラを置いて撮るにしても被写体ブレは免れません。・・・と、半分ほど引き込まれたところで”彼女”はまるで僕のためのように一旦停止して最後のシャッターチャンスくれました。
2枚ほどシャッターを切り、心の中で「ありがとう」とつぶやくと、その言葉が聞こえたかのように再び動き出しました。そんな”彼女”の姿を第2エンジンのノズルの先端まで見えなくなるまで見送ってから、福岡行きのレインボーセブンに乗り込みました。
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