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ロケットの打ち上げを自分のお目めで見に行こうツアー
H-IIAロケット4号機編
<Part-4 打ち上げ2時間前〜3秒前>
   
やがて空は池に浮かぶ蓮のようにびっしりと並んだ小さな雲に覆いつくされてしまいました。打ち上げの1時間前になっても一向に減る気配がありません。

「あ〜あ。やっぱり9月に来るんだったなあ。これじゃ15秒しか見えないよ」

雲が広がるという予報を蹴散らし、しかも同時刻に島の北部には雨が降っていたにもかかわらず青空だったという9月の3号機の打ち上げを思うと寂しくなりました。


打ち上げ20分前。
ロケットの上の雲に、少し大きめの穴があきました。

「今だ、打っちゃえ。」

と言ってみても上がるわけもなく。
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「150」

不意に聞こえたそれは、音響測定に来ていたNASDA職員の方の声でした。携帯電話でカウントダウンを中継しているのです。そう、もう打ち上げまで2分半ということです。僕たちも便乗して聞き耳を立てます。

「120」・・・・・・・・・・・・「100」・・・・・・・「90」・・・・・・・「80」・・・・・・・「70」・・・・・・「60」・・・

いつの間にか50人くらい集まっていたギャラリー全員が、シンと静まり返ってカウントダウンを聞いています。さっきまでふざけあっていた地元の子供達も神妙な顔つきです。

「55」・・・「50」・・・「45」・・・「40」・・・「35」・・・「30」・・・「25」・・・「20」・・・「15」・・・

さあ来い!と気合いを入れます。
打ち上げの瞬間は肉眼で見たいので、三脚に据えたカメラは覗かずシャッターボタンにだけ指をかけました。

「10!」

「9!」

「8!」

「7!」

「6!」

「5?」
(←何故かこの声だけトーンダウン)

「4・・・」
(←まだ自信なさげ)