「ドラーケンに会いに」 Petit Aeroscape #900
  
オーストリアのエアショー「AIRPOWER2019」に行ってきました。
目的はただ1機。昨年レストアされたスウェーデン空軍ヒストリックフライト所属のドラケン。

公式発表は直前まで無かったものの、かつてオーストリアのドラケン部隊があったこの基地での
エアショーには来る可能性が高いと踏んで、1年前から狙っていました。

そもそもドラケンという飛行機を知ったのは高専のときに教室で回し読みしていた「エリア88」でしたから、
ほぼ四半世紀の間ずーっと会いたいと思っていたことになります。

エアショー本番前日の朝、予定も知らないまま現地に着くと、タイミングを合わせてくれたかのように昼前にドラケンがやってきました。
ようやく会えた、本当に会えた、最初の瞬間。

なお現地では「ドラケン」と発音しても通じなくて「ドラーケン」でした。
私の脳内発音もすっかり「ドラーケン」に染まったので、以後ここでもドラーケンと呼びます。



エアショー本番前日、トリ前の17時からドラーケンの予行が行われました。
「うわーっ!ホントに飛んだ!いきなり捻ったーっ!」



世界で1機だけのフライアブルな戦闘機型ドラーケンですから飛びっぷりはホドホドかと思いきや、
特徴的なダブルデルタの平面形やトーチのようにハッキリ長く伸びるアフターバーナーの炎を見せ付けながら
バリバリの機動飛行をやってくれました。

「ホントに飛んでる!ドラーケンが飛んでる!!目の前で飛んでるよーっ!!!」

感激しすぎて心臓バクバク。写真はぐちゃぐちゃ(これもだいぶトリミング)。
1パスするごとに自分の呼吸が荒くなっていくのがわかりましたけど、本当に幸せな時間でした。



Zeltwegは滑走路の北側に山があって、望遠で切り取ると1本1本の木が識別できるくらいの近さです。
その風景の中にドラーケンが切り込んできました!

「エリア88」でドラーケンのことを「森林狼」と呼んでいたシーンがあったはず。それを思い出しました。



エアショー本番1日目は生憎の曇り時々雨。
ところが、ドラーケンが飛ぶときだけは何故か東の低い空が明るく染まっていました。



エアショー2日目(最終日)。
この日はさらに悪天候でしたが、ドラーケンが飛ぶ前には雨が上がってくれました。

ここまででも十分満足でしたが「背中」を撮りたいという願望が残っていたので、
最後のデモフライトでは会場反対側に陣取って離陸直後のヒネリに賭けることにしました。

結果は・・・はい、もう大満足。
25年間会いたいと願ってきた想いを、3日間で完全燃焼できた気がします。



2019年9月5〜7日 オーストリア Zeltweg基地

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