日本有数の景勝航路、日本エアコミューター鹿児島〜与論線。
JETLINERより低くてゆっくりしたPROPLINERの飛びっぷりも、
景色をよく見せてくれるためのサービスみたいなものです。

どんどん蒼くなっていく海を眺める1時間45分のフライトに、それでは出発しましょう。

(一気に並べましたので1メガバイト以上あります。ご勘弁を)

鹿児島空港は前線直下であいにくの雨模様。
このあと外も見えなくなるほど激しく雨が降りつけてきました。
「雲を避けながら飛びますが、揺れが予想されます」と飛び立つ前から機長のアナウンス。
これは「覚悟してね」ということなのか?と、ちょっと不安な旅立ちです。
   
「雲を避けながら」という意味がよくわかるくらい、ターンを繰り返しながら上昇を続けるYS。
機長の判断が冴えまくっているのでしょう。全く揺れません。
やがて遠くに入道雲が見えるほどになってきました。
   
厚い雲がなくなって青空に飛び出すと、本土最南端の佐多岬を越えて海に出るところでした。
ここから、薩南諸島と奄美諸島を「すべて」眺めていく贅沢な飛行が始まります。
   
ちなみにこのフライトの搭乗率は8割といったところ。
なのに1列目はA席の僕だけでした。
ということで、機内でもらった地図を見ながら
右に左に移動して景色を全部楽しむことができたのでした。
   
まず初めに見えてきたのは種子島。北部の西之表市上空です。
港に出入りする2本の長い航跡は、鹿児島とを結ぶジェットフォイルだと一目でわかります。
   
さて、何が見えているかわかりますか?
  
   
上の写真の部分アップ。
種子島宇宙センターです。
岬の先端がH-IIAロケットの射点になります。
このへんが、僕がH-IIAロケット4号機の打ち上げを見た場所。
射点から両側に広がる弓形の海岸線のうち、左側のほうです。
打ち上げのときに報道陣が陣取る雛壇は、逆に右側の海岸線
に沿ったほうの画面少し外にあります。
   
望遠で撮ってみたのですが、窓との角度が悪いのかAFが合わず。マニュアルでも合わせきれませんでした。
手前の大きな建物が組立棟で、その正面に射点があります。
わかりにくいですが、組立棟の右前にも(まだ使われていない)射点があります。
「世界一美しい宇宙基地」というのはお世辞じゃないと思います。本当に。
   
宇宙センターの興奮さめやらぬうちに、急いで右側へ。
まあるく浮かぶ世界遺産の島。屋久島です。
   
トカラ列島。
   
奄美大島の複雑な海岸線が見えてきました。画面奥には喜界島。
こうして眺めると、海を吹く風が島に当たって雲ができるというのがよくわかります。
   
奄美大島の名瀬市上空。
   
エンジンの下が奄美大島の最南端にあたり、大島海峡を挟んで眼下見えているのは加計呂間島。
島のエッジがすべてコバルトブルーに滲んでいるのを見ると、ああ南に来たんだなあと感じます。
   
丸くて平たい感じの徳之島。
   
沖永良部島。ほぼ真上を飛んだのであまりよく見えませんでした。
これは島の北端にある空港です。
   
沖永良部島の和泊港。
リーフに囲まれた浅くて小さな港から、大型フェリーが絶妙の操船で出航していきます。
鹿児島から奄美諸島を経由して沖縄へ向かうこのフェリーの次なる目的地は、与論です。
   
さあ見えてきました。与論島です。
   
北西(ランウェイ14)から進入するため、島を横に見ながら回り込んでいきます。
   
蒼い海が近づいてきます。
   
   
!!!
   
・・・最後の10秒間、絶句。
   
到着。もちろんのオープンスポット。
ドアが開いた瞬間、前方の席には南国の風が吹きこんできます。
タラップに出るなりパワフルな日差しを浴びます。
南の島に来たんだなあと体じゅうで感じながらエプロンを歩きます。
   
帰りは霞みが強く、コースも最短ルートであまり景色は楽しめませんでしたので1枚だけ。
与論を飛び立ち、島の上空でターンして北へと進路を変えるYSから見た、与論島ご自慢のリーフです。
ちなみに席は行きより1つ後ろの2列目。1列の差ですがプロペラの見え方は結構違います。
見やすいのは2列目ですが、写真にすると1列目のほうが僕は好きです(主翼の先まで見えますし)。
   

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