Part-20 4発プロペラ機で行く北海道の旅
  
去年、町内会の班長の順番が回ってきました。
最初はイヤイヤだったのですが、おかげで良いこともありました。
ひとつは、班長つながりでのりこにママ友ができたこと。
もうひとつは、小牧基地の近隣住民として体験搭乗の機会が巡ってきたこと。

そんなわけで、いつも家の窓から見ている4発のプロペラ輸送機C-130に乗って
2泊3日の北海道旅行(名目は航空祭研修)に行ってきました。

  
 
輸送機なので、このように壁を背にして座ります。
座席はちょうどレジャー用の椅子のような感じの、
アルミパイプのフレームに布を張った簡単なものでした。

この写真ではわかりにくいですが、手荷物は中央に山積みになっていて
貨物室担当の隊員さんがロープで固定していきました。

ベルト着用の指示と、安全のしおりのようなものの回覧はありますが、
搭乗前のセキュリティーチェックは一切なし。
離着陸時のデジカメ・ビデオはおろか携帯電話も常に使い放題。
(「どんどんケータイのカメラで撮ってくださいね!」と言われた)

民間旅客機とは根本的に違う世界の乗り物のようです。

  
 
シートベルトの金具も見たことない形をしていました。

  
 
これが搭乗券代わり。
首からかけるチェーンが付いていて、搭乗中は常に身に着けておくよう指示されました。
到着すると、貨物室の責任者(ロードマスター)が回収し数をチェックします。
搭乗券というより荷札ですねぇ・・・。
まぁたしかにロードマスターの立場から見れば今回は僕らが「貨物」です。

  
 
エンジンが始動していよいよ出発です。
「音がうるさいので耳栓を持参してください」と事前に言われていたのですが、
音自体はYSとそんなに変わらない気がしました。

離陸のポジションに付いて、エンジンの音が高まっていきます。
この音も、まぁYSと変わらないかなという感じ。
しかしC-130はしっかりブレーキをかけてその場に踏みとどまったまま、
4つのエンジンの回転をどんどん上げているようで、すごい振動です。

ガタガタ、キンキンといろんなところから変な音がしてきて
このままどっか壊れるんじゃないかと心配になってきたころ、
ブレーキが解除されてC-130は弾かれたように滑走を始めました。
これがまた予想外のすごい加速!みんな横向きに座っているので
加速のGで体がナナメになっています(笑)

そしてふわりとエアボーンしました。
輸送機なので窓は少なく小さいですが(片側に4つでした)、
運良く窓の近くの席に座れたので窓からパチリ。

  
 
離陸して1分かそこら。まだぐんぐん上昇中ですが早くも
「ベルトをはずされても結構です」とのアナウンス。

さっそく後ろを向いて(ロングシートの電車で景色を眺める子供のような姿勢で)
窓の外の写真を撮り始めました。
目の前で回る片側2発のエンジンはとても迫力があります。。

  
 
この写真だと座席の構造がわかるでしょうか。
座り心地は決してよくはありませんが、こうして広い貨物室内を
ウロウロできるので別に辛いとは感じませんでした。
本日の貨物は人30人弱とその手荷物、そして自分用のトーバー。

  
 
離陸して30分ほどで、コックピット見学が許可されました。
これまた民間旅客機では今やあり得ない体験です。

小さく区切られた窓がたくさん組み合わされて、大きな窓をかたちづくっています。
細かい窓枠ごしに見る空は、宮崎アニメに出てくるようなちょっとSFちっくな風景でした。

  
 
コックピットは思いっきりアナログです。
使い込まれた地図を広げて、「いま松本の近くを飛んでいます」と説明してくださいました。

  
 
遠くに伸びていく飛行機雲。

  
 
まもなく津軽海峡です。

  
 
北海道の大地が眼下に広がってきました。
たしかにこうして見ると輸送機の緑色の迷彩って、うまく地上の景色に溶け込みますね。

  
 
離陸から2時間。千歳基地に着陸です。

  
 
貨物室の扉を開ける前に、なにやら懐中電灯で確認中。
(画面左上に2人いるの、わかりますか?)

  
 
扉が開いて到着です。

  
 
着いたらすぐに燃料補給や整備作業がはじまりました。
今回、千歳基地の航空祭で地上展示するために飛んでくるついでに
僕たち体験搭乗者が便乗させてもらったわけです。
航空祭が終わったらすぐに帰れるよう、今のうちに燃料補給しておくんですね。
(それとも、有事に備えていつでも燃料は入れておくものなのでしょうか)

  
 
千歳のF-15に混じって、なにげにF-104が駐機していました(^-^ゞ
これも航空祭の準備ですね。

  
 
こちらは航空祭当日に撮ったF-104。
20年以上前に引退した飛行機がカピカに維持されているのは驚きです。
本当に今でも飛べそうで、うっとりと眺めてしまいました。

  
 
航空祭本番は残念ながらあまり天気に恵まれませんでした。
ブルーインパルスの離陸前にザーッと通り雨がきてどうなることかと思いましたが、
おかげでその雨を降らせた(?)入道雲がいい被写体になってくれました。

  
 
ブルーの演技をちゃんと会場で見るのってたぶん5年ぶりです。
やっぱり会場で見て見栄えがするように飛んでいるんですねぇ。

  
 
帰りは簡単に数枚だけ紹介します。
かなとこ雲の3兄弟。

  
 
行きと違ってほとんどの人が爆睡。
荷物の山には北海道のお土産が増えています。

  
 
航空祭が終わって3時間後には小牧に到着。
渋滞知らずで帰れるのもいいですね(笑)

本当に貴重な体験をさせていただきましたm(_ _)m。


2010年8月6〜8日 小牧基地〜千歳基地

  
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