啓徳時代には滑走路の真正面で荒々しい岩肌を見せていた山は、
チェックラップコックでは滑走路の横に移動して濃い緑に変わりました。
それでも空港島のすぐ脇に迫るランタオ島の山並みは、単純に眺めているだけでも絶景です。

送迎デッキがないため出発階の車寄せに陣取って待っていると、
長距離便は建物の陰から山肌をなめるように飛び出してきます。

南国らしい緑に包まれた山肌は、湿った風を受けて雲を作り出します。

見ていた中で一番低い上がりを見せたのは、バンクーバー直行のエアカナダでした。

山の上には積乱雲。
山肌に影が落ちてすっと暗くなると、スコールが近づいてきた合図です。

黄金の鷲が山から飛び立っていきます。
(普段は青い某社の突発的金色より、ずいぶん金色がしっかりしてますね・・・)

方角は変わってアプローチコースのほうには、新界地区の山並みが望めます。
この山をずっと右にたどっていくと、啓徳空港の正面に鎮座していた
ビーコンヒルやライオンロックに至ります。

定期船に乗って、空港やランタオ島の対岸にある屯門という町に渡ってみました。
5キロ先の飛行機は望遠レンズでも豆粒ですが、山はどこまでも大きく見えました。

いわゆる「りんくうタウン」にあたる東涌にはニョキニョキと高層マンションが増殖中。
ランタオ島の風景には不釣合いな、でも香港らしい風景になりつつあります。

空港の西側は、さらに山が迫ってきています。
平行滑走路のうち山側は主に出発便と貨物便が使っていますので、
着陸狙いの撮影ではイレブンカーゴをひたすら待ちました。

エンジン配置のダイナミックさとは裏腹に、
トライスターのしっぽは山景色ともマッチする落ち着いた雰囲気です。

キャセイのアイデンティティ、ブラッシュウイング。
水墨画をイメージしたデザイン展開をするだけあって、こんな風景に似合います。


 
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