KLMと並んでアムステルダムをベースにするもうひとつのMD-11オペレーター、マーチンエア。
軽やかな青いMD-11と重量感のある赤いMD-11の好対照が、アムステルダムでのイレブン撮影をより印象的にしてくれます。
2006年ごろに導入されたこの塗装は、尾部のダイナミックな赤がひときわ目を引きます。
まるでMD-11の第2エンジンまわりの造形に視線を集めるようにデザインされたかのよう。
それに応えて、離陸の機首上げを後追いで撮るのがベストでしょう。
3800メートルあるポルダーバーンをフルに使ってようやくエアボーン。
アメリカを経由して南米まで、ときには3日がかりで4都市を回る長旅になります。
かつては旅客チャーター便も運航していた名残りで、窓付きのコンパーチブルタイプもフリートにいます。
今では塗装に「カーゴ」と大書きされてしまっているのはさて置いて、やはり窓があるほうが親近感は湧きますね。
ランウェイチェンジ!?
自転車で12キロ爆走して場所移動・・・さて、定刻はすでに過ぎているけど間に合ったのか??

そのとき、滑走路のほうを気にする僕の背後から聞き覚えのあるエンジン起動音が響いてきました。
空港が広すぎて地理感覚が追い付いていなかったのですが、背後の建物の向こうがマーチンエアのエプロンだったことを思い出しました。
姿は見えませんが間違いなくいまからMD-11が出発するところ。安心感と混じった嬉しさが込み上げてきます。

その嬉しさにさらに嬉しさを重ねるように、願っていたまさにの位置でエアボーン。
絶妙な位置にもう1機マーチンのイレブンが絡んでくれました。
単なる真横ですけど、複雑な尾部の造形に沿った白い>>ラインがほぼ真っ直ぐに見えるほど真横。
各種ロゴやウイングレットもほどよい位置に入って、「良い真横写真」になったと思います。
"Kissing Douglases"
何か小さい飛行機が動いているのに気付いてレンズを向けると、まさかのDC-3。
しっかりKLMの塗装に身を包んで、「あれ、プロペラ回って自分で動いてるよなぁ」と思いながら見ているうちにあっさり飛んでいきました。
搭乗したMD-11のキャプテンがサインに「Capt. MD-11 & DC-3 !」と書いていたのはこのことかと納得。

15分ほど飛んで帰ってきたDC-3とMD-11の新旧ダグラスほっぺにチュッ(*^-^*)。
肉眼で見ていれば車輪がクルクル回っているのがわかるほど近いポルダーバーンで、
500ミリなんて使った日には最接近時はこの大きさ。
僕の動体視力では振るので精いっぱいで何も見えていやしません。
「へぇー。キャプテンシートに座っているの、女の人だったんだ」と気づくのは、撮れた写真を後で見てから。
ズームレンズで撮るとすぐ怖気づいて引いてしまうので、短焦点で逃げ場をなくすほうが結果的に良いことも多いです(^-^ゞ
ギアと地面のわずかな距離。重たい機体の機首上げにねじられたような主翼のしなり。そして翼の上の空気の流れを映し出したベイパー。
車輪から翼に重量が預けられてエアボーンした直後の、機体が軋む音まで聞こえてくる気がします。
滑走路のほぼエンドまで移動して、前から離陸にかぶりつきました。
「DC-10やMD-11は、両翼のエンジンの間に第2エンジンがくるような三角形を作るんだ。そうすると迫力がすごいんだ」
10年近く前に伊藤久巳カメラマンから教わったものの、一般人が撮れる場所ではそうそうそんな位置取りはできません。
それができるチャンスがついに来たのでした。
最後はふたたび離陸後追いで締めます。
やっぱりマーチンのMD-11はこの角度が最高でしょ?
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