JAL's DC-10 〜ラストフライト〜
プロローグ2
「成田空港でありがとう」

2005年10月29日〜31日。DC-10にありがとうを言う3日間。
その2日目は、成田へ。


昨日関空で会って、明日は乗ることになるJA8541はハンガー前でお休み中。
「明日よろしく〜」

午後4時。香港からの736便が到着。DC-10最後の3機のうち、
他の2機より1日早くこの便でラストフライトを迎えるJA8542のファイナルアプローチです。
僕が九州各地を巡礼していたころにセンターギアを隠して国内線で飛んでいたので、
鹿児島をはじめ、ずいぶんあちこちで会った思い出があります。
「ありがとう、おつかれさま」

翌日のラストフライトは成田から着いて1時間で折り返す便だったので
テンで日帰り往復というわけにはいかず、前夜のトリプルセブンでソウルへ先回りします。

出国手続きを済ませてまっすぐ向かったのは、自分の便ではなく香港行き735便のゲート。
そこでは明日ラストフライトを迎えるもう一機、香港でナイトステイして翌日に戻ってくる
JA8543が出発準備を進めていました。

夜の第2エンジンは、不気味に口をあけたブラックホールのよう。
その側面が描く緩いカーブに、隣の鶴丸が幾重にも重なって映りこんでいました。

”DC-10らしい”部分がひとつも写っていないこの構図。
それゆえに、これまであまり気付いていなかった胴体の美しさが見えてきました。

出発前のチェックに追われるコックピットのお三方。
壁一面のパネルをリズミカルになぞっていくFEさんの手さばきに目を惹かれました。

乗客の搭乗が始まるころ、尾翼のライトが点灯しました。
僕の便と出発時間は10分しか違わないのでのんびりはしていられないのに、
撮りたいものが多すぎてなかなかその場を離れることができませんでした。

サテライトに渡ると、僕が乗る便はちょうど搭乗が始まったばかりでまだ長い列。
それを見て少し時間があるなと思い、DC-10が見えるサテライト端っこの窓辺まで行きました。

ターミナルの窓と向かい合う第2エンジンと、その上に伸びる赤い垂直尾翼は言うまでもなく
存在感を放っていましたが、それに加えてビル屋上の「NARITA AIRPORT」のネオンが
翼を青く染めて、ちょっとクールな演出をしてくれました。

定刻より10分近く早くブリッジが離れてくれたおかげでスッキリした姿も撮れました。
ちょうどそこでソウル行きの搭乗案内がファイナルコールに変わったので、
プッシュバックが始まったのを確認して、ゲートへ向かいました。

乗り込んだトリプルセブンの窓から、滑走路へタキシングしていくテンの姿が見えました。
「また明日会おうね」


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