撮影初日の朝。前日の夕方に到着していたらしい”彼女”は国際線ターミナルの横で僕を待ってくれていました。
”彼女”の足元にかかったフェンスが画面に入らないよう170-500ミリのズームレンズをいっぱいまで伸ばして胴体と第2エンジンをアップにします。朝日ほんのりと黄色く染められた機体は、いつもの精悍なフォルムよりも少し柔らかい感じがしました。
出発は夜なのでまだ随分時間があります。朝の撮影を終えた僕は、繁華街のカメラ屋へと向かいました。ずっと欲しいと思っていた、キヤノンのEF100-400mmを買うためでした。アルバイトのお金も溜まったし、なにより”彼女”の最後の姿をいいレンズで撮りたいという気持ちが購入を決める動機として強く働いていていたことは言うまでもありません。
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