第8日 「ラスト・イレブン」

「本日は日本航空452便 東京成田行きにご搭乗くださいましてまことに・・・」

お約束のコックピットからのアナウンス。だけど最後がちょっと違いました。

「なお、本日ご搭乗いただいておりますMD-11型機は、本年10月をもって引退致します。
・・・ご参考までに申し上げておきます」

今年度引退といっても、10月という事実は予想外に早くてショックでした。
それよりも気になったのは、なんでわざわざ「この機体は古いんだ」と
乗客が思うようなことを言うのかな?ということ。
その答えは、CAさんとお話したときにわかりました。

「(かくかくしかじかでこの便に乗っているんですー)」
「そうなんですかー。もうこの1機だけになってしまいましたものね。」
「えっコウノトリももういないんですか?(これも知らなかったのでショック)」
「今日の2人のキャプテンも、MD-11はこれが最後の常務になるんです」
「あっ。それでさっきの放送でああいうふうに仰ってたのですね」

駆ってきた人、撮ってきた人、それぞれの想いを乗せて、
JALのラスト・イレブンは飛行を続けます。

かなとこ雲。
このとき機内オーディオでは山下達郎の「RIDE ON TIME」が流れていました。・・・JALで?
バルト海に沈む夕日。 
高度1万メートルから眺める日暮れ。オレンジとダークブルーの間に、地球と宇宙との境目が見える気がします。

ウイングレットは遥か後方。
壁に顔を押し付けるようにしないと見えません。
でも、こうやって前からでも「下向きの小さなウイングレット」が見えることを発見。

短い夜が終わって、朝日が昇ってきました。
眠いのを我慢してここまで見届けたところで、
ビジネスクラスの寝心地に見を委ねました。

目覚めのスカイタイム(キウィ味)。
絶対ゆず味よりこっちのほうが好きです。

「もうゆずにほとんど入れ替わっているんですが、今日はたまたま積んであるんです」とのこと。これが最後の一杯かな。


起きてからはあっというまに成田に到着。

ラストフライトお疲れさまでした。
僕がアクシオン福岡から眺めた離陸のうち、何回かは操縦桿を握られていたのでしょうね。

こちらもお疲れさま。
ウイングレットと遊べなかったのは残念だけど、ビジネスクラスの旅も素敵でした。
あと2ヶ月ちょっと頑張ってね!またもう一度は会おうね!


おしまい

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